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移動平均線の利用

 株式関係の教科書などを見ると、移動平均線を2本使って平均株価の方向を判断する方法が解説されています。週足の場合には、13週移動平均線と26週移動平均線を使い、それらがクロスした時点を相場転換点とみなすという方法が多いようです。

13週移動平均線が26週移動平均線を下から上に突き抜ける場合をゴールデンクロスと称し、平均株価が上昇するサインとみなします。逆に、13週移動平均線が26週移動平均線を上から下に割り込む場合をデッドクロスクロスと称し、平均株価が下落するサインとみなします。

この方式に従って、たとえば日経平均株価を売買したら、どのような結果になるでしょうか。ここではこの方式による売買の成績は示しませんが、結論からいうと、あまりよくありません。
昔のように上昇相場が長く続く場合には、この方式でかなりの投資成績が得られますが、最近のように数年以下の期間で相場の方向が変わる場合には、結局高値で買っては安値で売る、あるいは安値で売っては高値で買い返済するということが多く、ほとんど利益が得られません。

このように成績が悪い理由は、基本的に、移動平均線の周期が相場の変動とは特に関係がないためでしょう。13週、26週という周期は、信用取引の期限を考慮して決めたといわれ、コンピューターシミュレーションではこれらの周期がもっともよい結果を与えるとされます。それでも、相場はこれら周期とはあまり関係なく変動するのです。

平均株価の変動

 移動平均線を利用した方式でもっとも大きな問題点は、相場の転換点で平均株価が短期間に大きく変動した場合、相場の基調が転換したという判断が大きく遅れることです。特に目立つのが大暴落時の判断の遅れで、暴落後の底値の時期にやっと「下げ基調に転換した」という判断を出す場合もあります。

そこで、ここでは平均株価の価格変動率を使って相場の基調の転換をとらえることを検討します。要は、平均株価が高値からあるパーセントだけ下落したら下落基調になったと判断し、逆に、平均株価が安値からあるパーセントだけ値上がりしたら上昇基調になったと判断するという、極めて素朴な方式です。

古来、この種の価格変動率を使う方式にも、さまざまな試みがなされてきました。私どもは、1992年以降現在までの15年間における日経平均株価のデータを用いてコンピューターシミュレーションを行い、その結果から次の方式を採ることを決めました。
  • 相場基調判断の基本データ

    日経平均株価の2週移動平均株価(日足では10日移動平均株価)を基本データとして利用する。

    日経平均株価の1日のデータあるいは1週のデータでは、あまりにも変動が大きいために、安定した判断は期待できません。短期移動平均株価を原データとすることによって、投資成績がかなり安定します。
    その一方、ある程度の判断の遅れが発生しますが、これはやむを得ません。

  • 下落基調入りの判断

    日経平均株価の2週移動平均株価が直近高値から15パーセント以上下落したら、日経平均株価が下落基調に入ったと判断する。

    この15パーセントという数値をもっと小さく設定すると、日経平均株価の小さい変動に反応しやすくなり、全体としてかえってロスが大きくなります。前記の15年間のコンピューターシミュレーションにより、15パーセントという数値を決定しました。

  • 下落基調入りの見極め

    2週移動平均株価が直近高値から15パーセント以上下落しても、その時点の2週移動平均株価が42週前の2週移動平均株価より高ければ、下落基調に入ったとは判断しない。

    42週は、約9ヶ月にあたります。この条件もコンピューターシミュレーションにより決定したもので、相場の方向が転換するにはやはりかなりの時間が必要であるという経験則に対応しています。

  • 上昇基調入りの判断

    日経平均株価の2週移動平均株価が2週移動平均株価の直近安値から17.6パーセント以上上昇したら、日経平均株価が上昇基調に入ったと判断する。

    上記、平均株価下落の際は高値から15パーセント下がった位置、すなわち高値の85パーセントで判断します。平均株価上昇の際のめどは、平均株価安値の1/0.85×100=117.6パーセントとなります。

  • 上昇基調入りの見極め

    2週移動平均株価が直近安値から17.6パーセント以上上昇しても、その時点の2週移動平均株価が42週前の2週移動平均株価より安ければ、上昇基調に入ったとは判断しない。

相場の方向転換検出

 上記の方式に従って日経平均株価相場の方向転換を検出した例をあげましょう。下図のチャートは、日経平均株価がここ10年間でもっとも激しい下落を記録した2000年4月の前後2年あまりの日経平均株価週足です。
チャートには、日経平均株価の13週移動平均線、52週移動平均線も表示しています。

チャートの背景色がピンクの部分は、この方式で抽出された相場上昇部分を示します。一方チャートの背景色が空色の部分は、この方式で抽出された相場下降部分を示します。

2000年4月の暴落の後まもなく、日経平均株価相場が下落基調に転換したのが検出され、チャートの背景色がピンクから空色に変化しました。チャートから、その下落基調が翌年の12月まで継続しているのが見られます。
 
日経平均株価 004_011209

長期にわたる下落相場

 私どもの方式に忠実に従えば、上記の下落基調が検出された週の次の月曜日寄り付きで日経平均株価を売ることになります。その月曜日5月31日の寄り付きの日経平均株価は16029円でした。
日経平均株価は4月中旬に高値20833円をつけているので、この売値16029円は高値から約24パーセントも下がった位置となります。もともと動く値幅が小さい日経平均株価相場でこれだけのロスは非常に痛いので、売るのをためらう方も多いと思います。逆に、その後相場が反発するのを期待して買いに回る方もいるかも知れません。

しかし、ここで改めて、上図の日経平均株価相場のチャートをご覧ください。チャートで売り転換が告げられたのち、日経平均株価相場は一時的に少し反発しましたが、その後はまた急落し続け、翌年の10月にはなんと10000円を割り込んだのです。私どもの方式で検出された売り転換シグナルに従って日経平均株価を売却しておけば、その後の大変な損害をまぬかれたことになります。

このチャートから、いったん崩落して自信を失った平均株価相場は、投資家の予想をはるかに超える長期・大幅な下落となる恐れがあるのがわかります。やはり、長期の平均株価相場のコンピューターシミュレーションから得られた知恵を利用して、安全投資を行う必要があるのです。